2型糖尿病治療の多様化、それでも外せないポイントとは?~日本人2型糖尿病患者の治療戦略~

日本人2型糖尿病患者の治療戦略
日本人2型糖尿病患者の治療戦略

 

先生もご存知のように、糖尿病の病態には人種により違いがあります。そこでこのコンテンツでは、日本人糖尿病患者の死因、心血管疾患または腎疾患リスク、およびジャディアンスのエビデンスをご紹介しながら、心血管イベントを考慮した2型糖尿病治療を考えていきたいと思います。

 

日本人糖尿病患者の死因

日本人2型糖尿病患者では、脳・心臓・腎臓を合わせた死亡割合は23.6%であり、うち心血管疾患が最も多くを占め13.5%に上ります。そのため、心血管イベントの抑制は、生命予後の観点からも重要です。

日本人糖尿病患者の死因

図1

 

日本人糖尿病患者の初発イベント

近年、2型糖尿病と心不全、CKDの発現リスクや、死亡リスクについて報告がされています。そのひとつ、日本を含む6ヵ国の心血管疾患または腎疾患(CVRD)を有さない2型糖尿病患者を対象としたコホート研究をご紹介します。
本研究における初発イベントの内訳としてはCKDが最も多く36.2%、次いで心不全が23.7%であり、日本人ではそれぞれ39.3%、30.6%と、この2つで約70%をしめていました。

日本人糖尿病患者の初発イベント

図2

 

CVRD非合併群に対するCVRD合併群の全死亡およびCVDによる死亡のハザード比は、2.02および2.05でした。
また、心不全とCKDが互いに影響を及ぼす可能性も示されました。心不全のある患者におけるCKDのハザード比は2.30、CKDのある患者における心不全のハザード比は1.99であり、日本人ではそれぞれ1.98、2.23でした1)
これらの結果から、日本人の2型糖尿病患者においては心血管イベント発症・進展抑制のためにも、腎イベントを防ぐことが重要であると考えられます。

  1. Janani R. et al.; Circulation. 2019 Apr 16;139(16):e840-e878.

 

日本人糖尿病患者の初発イベント02

 図3


EMPA-REG EXTENDᵀᴹ MONO試験

心血管イベント抑制を目指した2型糖尿病治療の選択肢のひとつが、ジャディアンスです。
国際共同第Ⅲ相試験であるEMPA-REG EXTENDᵀᴹ MONO試験では、食事・運動療法で血糖コントロールが不十分(HbA1cが7.0以上かつ10.0%以下)な薬物未治療の2型糖尿病患者899例を対象に、ジャディアンス10mg群、ジャディアンス25mg群、プラセボ群またはシタグリプチン100mg群に無作為に割り付け、1日1回24週間経口投与しました。

EMPA-REG EXTENDTM MONO試験01

図4


HbA1c

その結果、ジャディアンス群およびシタグリプチン群では投与12週までにHbA1cが低下し、その低下作用は76週後まで持続することが検証されました。
投与76週後におけるベースラインからのHbA1c 調整平均変化量は、ジャディアンス10mg 群で-0.65%、25mg 群で-0.76%、シタグリプチン100mg群で-0.53%でした。

HbA1c01

図5

 

【参考情報】体重と収縮期血圧

本試験では体重および血圧への影響についても検討しました。
体重の調整平均変化量は、プラセボ群で0.4kgの低下、シタグリプチン100 mg群で0.1kgの増加、ジャディアンス10 mg群では2.2kg、25 mg群では 2.5kgの低下でした。
収縮期血圧の調整平均変化量は、プラセボ群で0.7 mmHg、シタグリプチン100 mg群で0.3 mmHgの低下、ジャディアンス10 mg群では4.1 mmHg、25 mg群では 4.2mmHgの低下でした。

【参考情報】体重と収縮期血圧01

図6


安全性

本試験における有害事象は、ジャディアンス10mg群76.8%(172/224例)、ジャディアンス25mg群78.0%(174/223例)、シタグリプチン群72.2%(161/223例)、プラセボ群76.4%(175/229例)に認められました。
投与中止に至った有害事象はそれぞれ4.9%(11/224例)、4.0%(9/223例)、4.9%(11/223例)、6.6%(15/229例)に認められました。
重篤な有害事象はそれぞれ11.2%(25/224例)、7.2%(16/223例)、8.1%(18/223例)、10.0%(23/229例)に認められ、死亡に至った有害事象はシタグリプチン群0.4%(1/229例)、プラセボ群0.4%(1/223例)でした。
主な有害事象は、高血糖がそれぞれ8.9%(20/224例)、4.9%(11/223例)、12.6%(28/223例)、27.5%(63/229例)、鼻咽頭炎がそれぞれ14.3%(32/224例)、11.2%(25/223例)、12.1%(27/223例)11.8%(27/229例)などでした。

安全性01

図7


EMPA-REG OUTCOME®

続いて、ジャディアンスの心血管イベントへの影響を検討した
EMPA-REG OUTCOME®の結果をご紹介します。
本試験では、心血管イベントのリスクを有する2型糖尿病患者を対象として、標準治療に上乗せした場合のジャディアンス群とプラセボ群との長期の影響を検討しました。

EMPA-REG OUTCOME®01

図8


【参考情報】3P-MACE、心血管死、心不全による入院、全死亡

3P-MACE、心血管死、心不全による入院、全死亡のハザード比はそれぞれ0.86、0.62、0.65、0.68でした。

【参考情報】3P-MACE、心血管死、心不全による入院、全死亡

図9


安全性

本試験における有害事象は、ジャディアンス10mg群90.1% (2,112/2,345例)、ジャディアンス25mg群90.4% (2,118/2,342例)、プラセボ群91.7% (2,139/2,333例)に認められました。
重篤な有害事象は、ジャディアンス10mg群で37.4%(876/2,345例)、25mg群で39.0%(913/2,342例)、プラセボ群で42.3%(988/2,333例)、投与中止に至った有害事象はそれぞれ17.7%(416/2,345例)、17.0%(397/2,342例)、19.4%(453/2,333例)に認められました。死亡はそれぞれ4.1%(97/2,345例)、3.4%(79/2,342例)、5.1%(119/2,333例)でした。
主な有害事象は、低血糖がそれぞれ656例(28.0%)、647例(27.6%)、650例(27.9%)、尿路感染がそれぞれ426例(18.2%)、416例(17.8%)、423例(18.1%)などでした。

安全性02

 

図10

 

 

臨床研究助成プログラム

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